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ティーバッグで支える喫茶の文化
家庭から急須が消える
茶どころの(静岡)県民にとってにわかに信じがたいが、大都市では急須の無い家庭が急増している。
急須を見ても用途が分からない子どもも珍しくないという。茶葉の始末がいらない手軽さからペットボトル入りの緑茶が重宝され、日本茶リーフ離れが加速しているといわれて久しい。
「手軽さと、本格的な味を両立できるティーバッグが日本茶リーフ離れを食い止めるはず」と静パックの杉山八朗業管室長は同社の開発理念を語る。
しかし、ティーバッグの日本茶の味はライバルの紅茶やコーヒーほど認められていない。
「お茶はタダ」という「日本の常識」から、同社にパック詰めを依頼するクライアントは茶葉にコストをかけないからだ。
安い茶葉でもおいしく出るようにと同社が22年前に開発したのが「ピラミッドタイプ」。従来の袋型の一方を90度回転させて閉じると三角錐ができる。茶葉が広がるスペースができるため、茶の浸出力が高まり、味わいが深まるという。
同社は多くの人に「ティーバッグのお茶もおいしい」と感じてもらうことが業界全体の発展につながると考え、この発明を広く公開。
そのおかげでいまや国内外のピラミッドタイプのティーバッグを見ることができる。
味わいを追及したドリップバッグ
急須で丁寧に入れた味わいを追及したのが、湯飲みのふちを使ってバッグを広げ、急須のように茶葉の上から湯を注ぐ「煎茶ドリップバッグ」だ。立ち上る茶の香を鼻で楽しみ、次第に濃くなる萌黄色をめでることができるため、五感で楽しむ日本茶の魅力を伝えることができる。風味を落とす酸化を防ぐために質素を充填し、紫外線の影響をカットするためアルミの外装もラインアップに加えるこだわりようだ。
日本茶離れを食い止めたい
しかし、日本茶離れにはもっと深刻な原因があるという。お茶屋さんに並ぶのは茶筒・茶袋入りの茶葉がいまだに主流で、しかも静岡茶としての県内産がほとんど。
急須のない家庭に、茶葉のままの「新茶の便り」を届けても消費拡大にはつながりにくい。
「新潟県を北限に、お茶は国内各地で生産されて、飲まれている。静岡が茶どころを自負するのであれば、県内はもちろん、各地の茶を気軽に楽しめる機会を作って『喫茶の文化』を盛り立てるべきだ」と、同社はこのほど各地の日本茶と世界のコーヒー、紅茶、ハーブティー、中国茶のドリップバッグのセットを月変わりで届ける「ワールドセレクション」を発売。
給湯器やウォーターサーバーの普及により、身の回りにあるお湯の温度は約90度と日本茶にはあやや高温なことから、その温度でベストの味が出るようにブレンドも調整したという。
同社は、おいしいお茶が手軽に飲めるようになれば、いずれ急須で入れた日本茶の魅力も再認識されると確信している。
静パック、ワールドセレクションについての問い合わせ
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